療育手帳と特定贈与信託、知的障害児への贈与税の非課税制度

      2017/07/02

知的障害児の、親の死後のお金の問題。

知的障害者への特定贈与信託とは。

療育手帳を持つ知的障害児への財産の贈与税が非課税になる、特定贈与信託という制度があります。この特定贈与信託は、親の死後の知的障害児を経済的に支える制度です。

特定贈与信託では、療育手帳が重度Aの知的障害者への贈与の場合は6,000万円、療育手帳が中軽度Bの知的障害者への贈与の場合は3,000万円、この金額までの贈与には贈与税がかかりません。財産を信託銀行に委託して、障害者が受益者となる信託契約をします。

3,000万円を未成年の子供に贈与した時の贈与税は、なんと約1,200万円です。

療育手帳があれば知的障害が軽度でも、3,000万円までは贈与税の非課税枠が使えます。せっかく障害を持つ子に貯めたお金が、税金でなくなる。そんなことがないように、計画的に贈与や相続を考えておきましょう。

特定贈与信託のメリット

計画的な金銭管理のできない知的障害児へ、定期的な支給をしてくれるのがメリットです。
  • 親が生きているうちに手続きができる。
  • 親の死後も信託銀行から定期的にお金が交付される。
  • 贈与税や相続税がかからない。

親の死後に知的障害児が、計画的にお金を管理することは無理だと思います。まとまったお金があっても、すぐに使ってしまう心配があります。その点、この特定贈与信託の制度であれば、知的障害者本人が自由に使えず、一定額が定期的に支給されるので、安心できます。

特定贈与信託のデメリット

信託銀行の手数料が高すぎる。

この特定贈与信託制度のデメリットは、なんといっても手数料が高いこと。
信託銀行と信託契約した場合だけ、特定贈与信託の制度が使えます。国に納める贈与税はかかりませんが、信託銀行に納める手数料はちゃんとかかります。信託銀行も慈善事業じゃないのでしょうがありません。

手数料は信託銀行によって違いますが、預け入れ時に3%、毎年1.5%かかる銀行などがあります。
3,000万円の3%って、90万円です。3,000万円の1.5%は年間45万円で、毎月約4万円です。

特定贈与信託なら、親の生前に手続きができる。

この特定贈与信託のメリットは、親の生前に手続きができることです。

贈与税より相続税の方が税率が安いので、生前の贈与より、本来なら親の死後に財産を相続した方が一般的にお得です。しかし、親の死後に知的障害者が、財産の相続手続きをすることなんてできません。

障害児に残す財産が3,000万円だけの場合は、相続税の基礎控除の金額以下なので相続税はかかりません。しかし、知的障害者が相続手続きができないことを考えると、生前に特定贈与信託の制度を使って、贈与しておくメリットがあります。

親の死後にお金の管理を任せられる人がいるか。

はたして親の死後に、知的障害児の金銭管理を任せられる人はいるか?

親の死後に残された知的障害者のお金の管理は、相当に信頼できる人じゃないとできません。仲の良い親戚だって、親の死後に知的障害者の財産を、しっかり管理してくれるかは、わかりません。
認知症の高齢者や知的障害者の財産管理を任せられた弁護士が、財産を横領する詐欺事件は、よく聞く話です。第三者の弁護士なんて所詮ただの他人です。報酬さえもらえば、犯罪者の無罪を主張するような弁護士もいます。

知的障害児の兄弟姉妹など、よっぽど信頼できて、金銭的にしっかりした人がいれば、その人に財産の管理を任せれば安心です。そんな人がいない場合は、たとえ手数料が高かったとしても、信託銀行の特定贈与信託の制度であれば、横領などの心配はなく安心できます。

知的障害児の、親の死後のお金の問題

知的障害者にとって、親の死後のお金は難しい問題です。

まずは、親の死後でも信頼できる人がいれば一番安心です。障害児の兄弟くらいしか、そこまで信頼できる人っていないですよね。

うちの子の場合は、4人兄弟なので、将来的には、残る兄弟3人がお金の管理をしてほしいと思っていますが、どうなるかはわかりません。他の兄弟3人に頼めない状況であれば、特定贈与信託の制度を活用することも考えています。

財産を残しても管理ができないと、全く意味がありません。その点、信託銀行の手数料が高くても、この制度なら安心はできます。手数料さえ安くなれば、使い道が多いこの特定贈与信託の制度。なんとかしてほしいものです。

わたしの個人的な感想としては、手数料などの負担を考えると、心身障害者扶養共済の方が、親の死後に残された知的障害児にとって使いやすくて、安心できる制度だと思います。

わたしは、心身障害者扶養共済の方が、使いやすくて、安心できる制度だと思います。


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