療育手帳とは?愛の手帳とは?療育手帳の制度って?

      2016/07/03

療育手帳とは

療育手帳・愛の手帳の制度の概要

療育手帳とは、知的障害者のための手帳。

療育手帳とは、知的障害者に交付される手帳です。知的障害者へ一貫した指導・相談、各種の援助措置を、受けやすくすることが、療育手帳の目的です。療育手帳の交付人数ですが、平成25年3月末で約91万人です。

知的障害者を対象とした療育手帳以外にも、障害者を対象とした手帳が2つあります。
・身体障害者が対象の、身体障害者手帳。
・精神障害などが対象の、精神障害者保健福祉手帳。
この2つの障害者手帳も、療育手帳と同じような援助支援やサービスが受けられます。身体障害と知的障害の両方ある場合は、身体障害者手帳と療育手帳の両方がもらえます。

知的障害とは子供が成長する過程で見られる症状で、成人する18歳くらいまでに現れます。この知的障害者が、療育手帳の対象です。高齢者の認知症、怪我や事故での脳障害の後遺症などは、知的障害ではないので、療育手帳の対象ではありません。

療育手帳で、いろんなサービスを受けられる。

療育手帳があると、料金の割引サービスなどが、いろんなところで受けられます。携帯電話の割引、税金の割引、JR新幹線の割引など、療育手帳はメリットいっぱい。知的障害者へのサービスを上手に活用しましょう。
うちの子も、療育手帳のメリットを活用させてもらって助かってます。

>療育手帳の割引サービスへのリンク

法律で決まった制度ではない。

療育手帳って、法律で決まった制度ではないんです。知的障害者の自立や支援についての法律、知的障害者福祉法にも療育手帳のことは書かれていません。

もともと知的障害者への手帳制度は、国より先に、独自の判断で開始している地方自治体がありました。その後になって、国が全国の自治体へ、療育手帳を発行するように通知しました。

都道府県が主体的に発行し、国の厚生労働省は指導だけ。

療育手帳を管轄する国の機関は、厚生労働省です。しかし、厚生労働省は、地方自治体に対して、指導はしていますが、主体的に療育手帳のルールを決めて発行しているのは、それぞれの都道府県です。

昭和48年に、国(当時は厚生省)が都道府県などに通知した、療育手帳制度についての通知により、都道府県知事又は指定都市市長ががそれぞれの条例や要綱で、療育手帳制度を実施し交付しています。

東京都の場合は、「東京都愛の手帳交付要綱」に基づき、愛の手帳を交付しています。

地域によって手帳の制度は違います。

療育手帳の申請手続き

住んでる地域で制度が違う。

療育手帳の制度は、手帳の名前、障害の判定基準、障害等級の区分など、住んでる地域で微妙に違いがあります。
療育手帳制度は国の助言に基づき、各都道府県が条例や要綱によって実施する制度なので、自治体により交付基準に若干違いがあるのです。

地域によって、手帳の名前が違う。

療育手帳は、手帳の名称も、地域によって違います。
青森県の愛護手帳、さいたま市のみどりの手帳、東京都の愛の手帳、横浜市の愛の手帳、名古屋市の愛護手帳。これ全部が療育手帳です。

手帳の名前は、厚生労働省の局長通知「療育手帳制度の実施について」で、「手帳の名称は療育手帳とするが、別名を併記することはさしつかえない」とされているので、自治体によっては別名があります。東京都は愛の手帳ですね。さいたま市ではみどりの手帳、名古屋市では愛護手帳という手帳の名前を使っています。ただし、別名の併記であって、療育手帳は療育手帳です。東京都は「愛の手帳」と「東京都療育手帳」の併記です。

申請は役所の福祉窓口で行う。

療育手帳は、役所が発行する公的な手帳です。療育手帳の交付を受ける申請は、住んでる地域の役所の福祉担当窓口に申し込みを行います。申請手続きでわからないことは、福祉窓口の方が教えてくれます。

>申請手続きの流れ「わたしの療育手帳、申請手続き体験談」へリンク

療育手帳の主な記載事項。

療育手帳には、障害者本人の顔写真を貼り付けます。療育手帳に書いている内容は、知的障害者の氏名、住所、生年月日、性別。未成年なら保護者の情報。それと障害の程度、これまでに受けた指導や相談の記録を記入する欄があります。福祉事務所の場所や、受けられるサービスが書いています。整理番号のような固有の手帳番号もあります。

記載内容の中で重要なのが「障害の程度」です。この障害の程度によって、療育手帳で受けられるサービスが変わります。鉄道の割引の「旅客鉄道株式会社運賃減額」は第1種と第2種、飛行機の割引の「航空運賃割引」は本人と本人・介助者の区分があり、障害の程度によって区分が変わります。

障害の程度によって等級がある。

障害の程度は重度Aとそれ以外Bに区分されます。
療育手帳の交付人数ですが約91万人で、そのうち重度Aは約38万人、それ以外は約53万人です。年齢区分では18歳未満が約23万人、18歳以上が68万人です。(※厚生労働省「厚生統計要覧H25」より)

重度の判定Aの基準

・知能指数IQ35以下で、日常生活の介助が必要か問題行動
・知能指数IQ50以下で、視覚、聴覚、肢体不自由など
・東京都愛の手帳では1・2度に相当

重度の判定Bの基準

・重度A以外
・知能指数IQ75〜70以下
・東京都愛の手帳3・4度に相当
療育手帳の交付範囲
療育手帳がもらえる基準は、各都道府県が決めています。知能指数IQ75〜70程度が交付される境界となっていて、それぞれの都道府県で違いがあります。

>療育手帳の障害の判定基準・等級って?

児童相談所などで障害の判定を受ける。

療育手帳の障害の程度は、18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が判定します。18歳未満の障害を判定する児童相談所とは、児童福祉法で決められた18歳未満の児童の問題全般についての専門機関です。成人の障害を判定する知的障害者更生相談所とは、知的障害者福祉法で決められた知的障害者のための組織です。

年齢制限はなく、3歳くらいから取得できる。

療育手帳には、年齢制限はありませんが、一般的には手帳が取得できるのは3歳からです。

何歳からという決まりはないので、いつからでも取得できるのですが、赤ちゃん、乳児では知的障害かどうかの判定ができません。一般的に、知的障害と判定ができるのは幼児3歳からです。そのため、療育手帳が取得できるのも3歳からが原則になっています。うちの子も、3歳になった時に、知的障害と診断されました。

ただし、希少染色体異常などの先天的な疾病で、3歳未満でも知的障害と判定できれば、療育手帳は取得できます。対象年齢はないので、成人後の大人になってからでも新規に手帳を取得することもできますが、高齢者の認知症は知的障害ではないので、療育手帳はもらえません。

療育手帳の更新と有効期限

療育手帳には、次の判定年月が記入されています。この次回判定年月で、障害の検査を行って判定を見直し、療育手帳の更新手続きをします。手帳を何年で更新するか、有効期間がどれくらいかは、それぞれの自治体によって違いますが、2年から5年程度で更新する自治体が多いようです。有効期限が切れる前に、障害の再判定を受けましょう。成人になって、これ以上障害の程度が変化しないと考えられる場合は、更新が不要で、有効期限がずっと続く自治体もあるようです。
うちの子の療育手帳の更新は、4年後でした。有効期限が4年ってことですね。

療育手帳がいらないなら、もらう必要はない。

知的障害者であっても希望しなければ、療育手帳を取得する必要はありません。
・知的障害者と思われるのが恥ずかしい。
・知的障害者というレッテルを貼られるのが嫌。
いろんな考えで、手帳をもらわないのは自由です。無理に療育手帳を申請しなくても全然構いません。

一旦、療育手帳をもらった後でも、返還できます。いらなくなったら、いつでも返却できます。

ただし、療育手帳は、指導・相談、各種の援助措置を、受けやすくするための手帳なので、療育手帳がなければ援助措置などが受けにくくなります。療育手帳の提示だけで受けられるサービスも多くあります。せっかくなら療育手帳の経済的メリットなどを活用した方がお得ですよ。

>療育手帳のデメリットはこれです。

旅客鉄道株式会社運賃減額

療育手帳にある「旅客鉄道株式会社運賃減額」の欄は、JRの切符の割引の種別が書いています。そして、JR以外にも、多くの交通関係がこの欄の区分で割引になります。
第一種と第二種の区分があり、その区分でJRの切符の割引内容が決まります。この旅客鉄道株式会社運賃減額は、本来はJRの割引についての決まりです。しかし、私鉄やバス、高速道路などの多くの交通関係が、JRの割引内容に準じた割引を実施しているので、この区分によって交通関係の割引が受けられます。

>療育手帳でJR新幹線の障害者割引
>療育手帳で地下鉄の割引、全国の地下鉄がお得に
療育手帳の旅客運賃減額と航空割引

航空運賃割引

療育手帳にある「航空運賃割引」の欄は、飛行機の割引の種別が書いています。本人、本人・介護者、この2つの区分があります。この区分に応じて、飛行機に乗るときに障害者割引を受けられます。

>療育手帳で飛行機の割引

失くしたり、引っ越したら再発行。

療育手帳をなくした、うっかり紛失したら、すぐに役所にお願いして、再発行してもらいましょう。なくした時以外にも、汚れがひどい、洗濯して水濡れ、やぶれた、そんな時にも再発行してもらえます。
療育手帳は、知的障害者にとって大切な手帳です。役所の方に迷惑かけないためにも、大切にしましょうね。

国の指導内容を詳しく知りたい。

昭和48年の当時の厚生省の通知の全文を見たい方は、下のリンクをご覧ください。この通知が発出された当時は、国の機関委任事務制度があったため、各都道府県に対し法的拘束力がありましたが、現在は技術的助言となっています。

>「療育手帳制度について」昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知

>「療育手帳制度の実施について」昭和48年9月27日厚生省児発第725号厚生省児童家庭局長通知

療育手帳は、メリットを活用するためのもの。

なんだか難しい話になりましたが、障害者が割引、支援、相談など、いろんなサービスを受けやすくなる、役所からもらえるありがたい手帳。それが療育手帳です。障害者への配慮に感謝しながらどんどん使って、療育手帳のメリットを上手に活用しましょう。

>療育手帳Q&Aよくある質問、制度・判定基準・申請方法

目次 / Contents

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